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『時を超えて語り継がれる爆発力』


【2004年 アンタレスステークス】

サンデーサイレンスやノーザンテーストに次ぐ勝ち鞍を量産し、一時代を築いたブライアンズタイム。28歳で急逝するまで種付けを継続し、長期に渡って様々なカテゴリーへ一流馬を送った。ダート路線にも傑作が多いが、代表格といえばタイムパラドックス。父らしく使われて味があり、成長力には目を見張るものがあった。
 その母ジョリーザザ(母父アルザオ、フランスで4勝)の半姉にローラローラ(天皇賞・春や有馬記念に勝ったサクラローレルの母)がいる。当初は華奢で目立たなかったが、社台ファームで丹念に基礎固めされ、徐々にたくましい筋肉が備わってきた。
3歳2月に栗東へ。翌月の阪神、ダート1800mでデビューすると、豪快に差し切って7馬身差の圧勝。続く500万下も難なく突破する。
 芝を試した青葉賞は11着に敗退。ソエを痛がるようになり、8か月間のリフレッシュを挟んだ。3戦を消化したところで右後脚に骨膜炎を発症。さらに7か月半のブランクを経る。
 4歳10月の京都、ダート1800mで3勝目をマーク。以降はまとまった休みを取ることなく、コンスタントに走り続けた。香嵐渓特別、矢作川特別と、暮れの中京を連勝。北山Sでは鮮やかな追い込みが決まり、オープン入りを果たす。
 末一手の脚質に泣き、勝ち切れずに5戦を費やしたとはいえ、トパーズSは好位から楽々と抜け出した。6歳にして、平安Sで初重賞勝ち。どんな流れでも崩れなくなり、いよいよ円熟期に入った。
 同馬らしい決め手を存分に発揮したのがアンタレスS。前半は後方でじっくり脚をためていたが、インを突いてぐんぐん進出する。外へ持ち出す際は勢い余って2着馬を跳ね飛ばすほど。バランスを崩しながらも、ぐいと突き抜けた。
 安藤勝己騎手は、こう満足げに笑みを浮かべた。
「マイルや1400mもこなせるが、このくらいの距離が一番合っている。状態が良ければ、確実に伸びるからね。思ったよりペースが落ち着き、届くのか不安もあったなか、速い上がりにも対応。キャリアを積むごとに強さを増しているし、まだまだ奥があるよ」
 その予言通りに、ブリーダーズゴールドC、白山大賞典と、次々にタイトルを手中に収めていく。JBCクラシック(3着)では僚馬のアドマイヤドンに敗れたものの、トップクラスが相手でも通用するメドが立った。そして、JCダートでは、ついにG1の栄光をつかみ取る。しかも、2馬身半差の完勝だった。
 翌年も川崎記念、帝王賞、JBCクラシックに優勝。8歳で制したJBCクラシックがラストランとなった。その後の調教で骨折し、リタイアに追い込まれたのだが、全50戦(うち16勝)を懸命に駆け抜けた。時を超え、語り継がれるべき一頭といえよう。
 種牡馬としてのオファーは減少傾向にあるが、ブライアンズタイムの血を伝える貴重な一頭。秘めた底力を考えれば、いつ大物が登場しても不思議はない。
 


第9回 アンタレスステークス(GⅢ)
1着タイムパラドックス 牡6 57 安藤勝己  松田博資
2着サイレンスボーイ  牡5 56 Mデムーロ 石坂正
3着ヒシアトラス    牡4 56 郷原洋司  中野隆良

 単勝  300円
 枠連  440円
 馬連  470円
 馬単 1,010円

3連複 1,690円




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