重賞コンテンツ

『突然に目覚める波乱の女神』


【2006年 フローラステークス】

 デビュー前よりパワフルな動きを見せていたヤマトマリオン。2歳10月、京都の芝1200mで迎えた新馬は2着。馬群を嫌って逃げる悪癖を抱えながらも、3戦目となる阪神のダート1200mで初勝利を挙げた。
 年明けの京都、ダート1800mで2勝目。その後はチューリップ賞(14着)、忘れな草賞(5着)と歩み、フローラSへと駒を進めた。スタートが決まったうえ、スローペースでも我慢が利き、直線はスムーズに外へ持ち出せた。横一列の決め手比べとなったなか、力強く抜け出す。10番人気(単勝22・7倍)の低評価を覆す鮮やかなパフォーマンスだった。
「あんなにトモや胸前がたくましい牝なんて、滅多にいませんよ。潜在能力には、ずっと自信を持っていました。あのときは前日の輸送が初めて。直前までレースが近いと察することなく、落ち着いて臨めたのが結果に結び付きました。でも、一緒に過ごした時期を振り返れば、胃が痛むことばかり。我の強さが半端じゃなくて」
 と、安達昭夫調教師は振り返る。
 ますます反抗的な態度が目立つように。安達師の背中に噛み付き、くっきりと歯型を残したこともある。オークス(13着)以降、2年間に渡って連敗を重ねた。
「地下馬道が大嫌いに。パドックを真っ先に出て、馬場まではキャンターで通過させても、突然、ブレーキをかけるてしまう。いったん止まったら、さあ大変。頑として動かなくなる。ジョッキーが降りればしぶしぶ歩き出すのに、今度はなかなか乗せようとしないんです。引っ張ったり、なだめたり。そんなときは成績も振るいません。4歳時に川崎の交流、スパーキングレディー(7着)に挑んだときは、絶好の舞台だと意気込みましたよ。左回りに加え、重馬場も得意。しかも、地下馬道がないんですから。でも、すごい勢いで馬場へと暴走し、なかなか止まらなかった」
 久々に勝利を挙げたのが5歳時の東海S。単勝は102・2倍。3連単で513万7110円もの波乱を巻き起こした。牡馬の強豪相手を打ち破ったのも、きつい気性があってのこと。なぜか中京ではトンネルで膠着したことがなかった。
 この一戦がきっかけとなり、成績はぐっと安定。クイーン賞、TCK女王盃とタイトルを追加していく。白山大賞典を2着、交流重賞での3着も4走ある。ラストランは8歳2月のTCK女王盃(11着)。10歳になり、正式に引退が決まった。
「父オペラハウスから成長力やスタミナを受け継いでいますし、母ヤマトプリティ(その父アンバーシャダイ、ダートで6勝)も息長く走りましたからね。
繁殖(日高町の坂東牧場に繋養)としても、あっと言わせてほしい」
 


第41回 フローラステークス(GⅡ)
1着ヤマトマリオン   牝3 54 菊沢隆徳 安達昭夫
2着ブロンコーネ    牝3 54 藤田伸二 池江泰郎
3着アクロスザヘイブン 牝3 54 小野次郎 中野隆良

 単勝  2,770円
 枠連  5,570円
 馬連 27,340円
 馬単 59,750円

3連複  94,400円
3連単  686,860円




Copyright © 2006 WORLD, Inc All Rights Reserved.
このサイトに掲載の記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。すべての著作権はWorldに帰属します。

前のページへ戻る

PAGE TOP