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『重厚なパワーを秘めた美しき宝石』


【2016年 宝塚記念】

3歳1月に迎えた中山の新馬(芝2000m)では、レースの上がりを1秒も凌ぐラスト35秒2の鋭さで突き抜けたマリアライト。スローペースながら、後続に2馬身半の差を付けている。しかし、当時はいかにも華奢。4戦目(東京の芝1800m)を順当に勝ち上がったとはいえ、本領を発揮するのは古馬になってからだった。
 母クリソプレーズ(その父エルコンドルパサー)は3勝をマークした。その兄姉にシースルオール(5勝)、タンザナイト(3勝)、アドマイヤダンサー(3勝)らがいて、JCダートに勝ったアロンダイト(5勝)は全弟にあたる。同馬の半兄がクリソライト(ジャパンダートダービー、コリアCなど日本テレビ盃など現9勝)。半弟にもリアファル(神戸新聞杯など現4勝、菊花賞3着)がいる。
 稀代のスーパーホースであり、スタリオン入りしてからも日本競馬を牽引するディープインパクトが配され、軽さも兼備した個性だとはいえ、愛オークス馬となった曽祖母リーガルイクセプションに連なる重厚なファミリー。豊富な成長力を秘めていた。
 間隔を開けながら大切に使われ、1000万下でも崩れずに5戦を消化。4歳春には長めの距離へとシフトして、潮来特別、緑風Sと連勝を飾る。重賞への初挑戦となったマーメイドSでも、渋太く2着に食い下がった。
 オールカマー(5着)をステップにエリザベス女王杯に挑むと、大外を懸命に伸びて先頭へ。待機勢の強襲を粘り強く退け、G1制覇を成し遂げた。有馬記念(4着)でも見せ場はたっぷり。充実の5歳シーズンを迎え、日経賞(3着)、目黒記念(クビ差の2着)と健闘を続ける。
 牡のトップクラスが相手だけに、宝塚記念は8番人気(単勝25・1倍)に甘んじていたが、ここが上半期の大目標。渾身の仕上げに応え、並外れた勝負根性を発揮する。終始、外を回り、早めに手が動きながらも、じわじわと伸びる。懸命に踏み止まるキタサンブラック(3着)をきっちり交わし、猛然と迫ってきたドゥラメンテ(2着)をクビ差だけ退けてゴールに飛び込んだ。
 価値あるタイトル奪取に、蛯名正義騎手の声も弾む。
「小さな牝馬なのに、内外のクラシックホースを寄せ付けなかった。すごいことだよ。レースが流れてくれたし、外枠に恵まれ、スムーズに追走できた。急に速くなることがないコンディション(やや重)は得意だからね。周りがしゅっと動けないなか、4コーナーより少しずつ差を詰めていけた。それが勝因。若いうちは飼い葉を食べなかったり、弱いところが目立ったが、大事に大事に育てられ、ついに才能が花開いたね。安定感が出たし、ほんと乗りやすくなった」
 管理する久保田貴士調教師にとって、初となるG1の栄光。喜びを噛み締めながら、こう愛馬を称える。
「例年、馬場が悪化する傾向にあり、この仔向きの舞台だと思っていました。馬の状態に関しては、本当に自信があったんです。1コーナーをノンプレッシャーで入れ、エリザベス女王杯と同じような位置取りとなりました。4コーナーから進出していく姿を見て、あそこまで来たなら、ジョッキーになんとかしてほしいと力が入りましたね。よくがんばってくれました。牧場と連携して丁寧に育ててきて、想像以上の進歩を見せています。勇気を与えられる勝利となりましたよ」
 以降はオールカマー(5着)、エリザベス女王杯(6着)、有馬記念(10着)と歩み、余力を残して繁殖入りしたマリアライト。馬名は、クリソプレーズと同じ玉髄の一種であり、『成功の石』とされるパワーストーンのことである。産駒たちも、きっと幸せな競走生活を送り、輝かしい勝利を収めるに違いない。
 


第57回 宝塚記念(GI)
1着マリアライト   牝5 56 蛯名正義  久保田貴士
2着ドゥラメンテ   牡4 58 Mデムーロ 堀宣行
3着キタサンブラック 牡4 58 武 豊   清水久詞

 単勝 2,510円
 枠連 1,050円
 馬連 2,440円
 馬単 8,460円

3連複  2,800円
3連単  26,250円




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