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『幾多の苦難を跳ね返す鮮烈な一撃』


【2009年 プロキオンステークス】

 ノーザンファームでの育成時に喘鳴症が認められ、手術を施す必要があったランザローテ。栗東への入厩は、3歳5月にずれ込んでしまったとはいえ、当初から調教では楽々と好タイムをマークしていた。函館のダート1700mに臨むと、既走馬相手に圧巻のパフォーマンスを演じる。抑え切れずに先頭に立ち、ラストは遊びながらも2着に10馬身。3着以降とは3秒8もの大差が開いた。
 サンデーサイレンス系を発展させ、09年にはトップサイアーとなったアグネスタキオンのファーストクロップ。芝で頭角を現した同期たちとは違い、520キロ程度の雄大な馬格を誇り、パワーも豊富だった。JRAのダート重賞に勝った産駒は同馬が初。母トキオタヒーチ(その父ワイルドアゲイン、2勝)の血を色濃く受け継いでいた。同馬の兄弟にあたるハギノプレシャス(3勝)、マルケサス(現3勝)らもダート巧者である。
 2戦目の同条件は2着に敗退。破格なポテンシャルに、脚元が耐え切れなかった。トウ骨の骨膜に泣き、8か月間の休養。4歳3月、阪神のダート1400mで迎えた復帰戦を完勝する。しかし、1000万クラスを3着に惜敗したところで、右前に屈腱炎を発症してしまう。さらに1年8か月ものリハビリ期間を経た。
 5歳12月に再スタート。阪神のダート1400m、香嵐渓特別、羅生門Sと、一気の3連勝でオープン入りを果たす。マーチS(9着)やオアシスS(5着)ではキャリアの浅さを露呈したとはいえ、ますます筋肉が張り出し、肉体的な充実は明かだった。
 次のターゲットはプロキオンS。すでに高い適性を示していた舞台に替わり、存分にスピードを生かせた。好スタートから巧みに3番手をキープ。終始、楽な手応えで追走する。直線の追い比べでも、最後まで渋太い伸び脚を駆使。アタマ差の接戦を制し、念願のタイトルを奪取した。
 会心の勝利に、武豊騎手もいつも以上の笑み。こう卓越した性能を賞賛した。
「もともとの素質馬が、ついに本格化。精神的に成長したよ。行かなくても、前を見ながら我慢が利いた。理想的なレースができたね。この先に夢がふくらむなぁ」
 サマーチャンピオンは2着に健闘。3着に敗れたエニフSも、ハイペースが堪えた結果である。ところが、ここで脚元が限界に達してしまう。懸命にケアされ、7歳春には欅S(7着)の臨んだものの、今度は左前脚を骨折。底を見せないまま、引退することとなる。
 わずか13戦(6勝)の競走生活であっても、鮮烈なインパクトを残したランザローテ。幾多の苦難を跳ね返したプロキオンSでの一撃は、いつまでも一等星の輝きを放ち続けている。
 


第14回 プロキオンステークス(GⅢ)
1着ランザローテ   牡6 56 武 豊  池江泰寿
2着トーホウドルチェ 牝4 54 和田竜二 田島良保
3着バンブーエール  牡6 59 松岡正海 安達昭夫

 単勝  500円
 枠連  600円
 馬連  640円
 馬単 1,360円

3連複   760円
3連単  3,960円




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