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『瞬発力とパワーを兼ね備えた二刀流の才女』


【2009年 新潟2歳ステークス】

 キンシャサノキセキ、ストレイトガールといったスピードタイプだけでなく、クラシックホースに輝いたイスラボニータ、砂戦線へはカネヒキリ、シャトル先での成功作としてもドバイシーマクラシック勝ちのサンクラシークら、長年に渡って多彩なトップホースを送り出したフジキセキ。万能系の遺伝子が生き、ターフとダートの両方で重賞を制したのがシンメイフジだった。
 母レディミューズ(その父ティンバーカントリー)もオールマイティなカテゴリーで能力の高さを示している。新馬勝ちはダート1400m。チューリップ賞(2着)、オークス(4着)などの戦績を残した。母の半兄にロードクロノス(中京記念)。祖母はマイルCSをはじめ、重賞を6勝したシンコウラブリイである。
「デビュー当初から完成度が高く、仕上げは楽。早熟かとも思わせましたが、3歳になっても大きな夢を見させてくれた。いつも一所懸命で、ほんとかわいい馬でしたよ」
 と、管理した安田隆行調教師は深い愛着を寄せる。
 単勝1・6倍の断然人気に応え、2歳7月、阪神の芝1200mを差し切り勝ち。出遅れて直線だけの競馬となり、ダリア賞は半馬身差の2着に終わったが、メンバー中で最速となる末脚(3ハロン34秒9)を駆使した。この試走が次の新潟2歳Sにつながる。武豊騎手も「距離はもっとあったほうがいい」と感触を述べた。
 相手が強化された重賞でも、1番人気(単勝3・7)に推される。だが、ここでもダッシュが付かず、位置取りは最後方に。ペースは落ち着き、馬群が凝縮したままで直線に向いた。新潟の外回りらしく、ラストの瞬発力比べとなる。迷わすに大外に進路を切り替えると、全身にためこんだエネルギーが一気に爆発。次位をコンマ6秒も凌ぐ32秒9の豪脚を繰り出し、あっさりと馬群を飲み込んだ。
 新たにコンビを組んだ岩田康誠騎手は、驚きの表情を浮かべた。
「すごい反応。弾けたね。返し馬で物見をしていたし、案の定、抜け出したら観客席に気を取られていたよ。まだまだ余裕があった」
 大切に使われ、阪神JF(5着)へ直行。レースの流れと気持ちが噛み合わず、春シーズンもフラワーC(5着)、桜花賞(6着)、オークス(11着)と不完全燃焼に終わった。
 新たな可能性を探るべく、関東オークスに参戦。好位から抜け出し、2つ目のタイトルを奪取する。ただし、右前の第1指骨を剥離骨折。早熟タイプとも思えなかったが、以降は骨膜に悩まされることとなる。
 4歳時のエリザベス女王杯(7着)では大逃げを打って場内をわかせたものの、競走生活の後半は真面目すぎる面も災い。5歳春の中日新聞杯(10着)を走り終えると、繁殖生活に入った。
 いまのところ、勝利を挙げた産駒はいないが、様々な魅力が詰め込まれた血脈。優秀な身体能力や真面目な性格を受け継いだ二世の登場が待ち遠しい。
 


第29回 新潟2歳ステークス(GⅢ)
1着シンメイフジ  牝2 54 岩田康誠 安田隆行
2着フローライゼ  牡2 54 後藤浩輝 岩戸孝樹
3着クロフォード  牝2 54 内田博幸 二ノ宮敬宇

 単勝  370円
 枠連  840円
 馬連 7,500円
 馬単 12,950円

3連複  17,210円
3連単  110,120円




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