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『目覚ましい成長力で頂点を極めたスプリント界の女王』


【2002年 スプリンターズステークス】

 世界でもトップクラスの種牡馬と配合しようと、引退後はアメリカで繁殖入りしたビリーヴ。キングマンボが配された初仔のファリダット(5勝、重賞での2着が2回、安田記念3着)に続き、フィドゥーシア(父メダグリアドーロ、現7勝、アイビスサマーDを2着)がオープン入りを果たし、母の後を追ってスプリンターズSに挑む。2歳のジャンダルム(父キトゥンズジョイ)は新馬を快勝したばかり。スケールの大きさを見込まれる注目株である。
 繁殖としても名を高めるスターホースの魅力を管理した松元茂樹調教師に訊くと、驚異の成長力を強調する。
「スピードの絶対値はもちろん、目覚ましい成長力も兼ね備えていた。そんな特徴を受け継ぎ、フィドゥーシアも古馬になってめきめき充実。優秀な血統のなせる業だよ」
 セレクトセール(当歳)にて6000万円で落札されたビリーヴ。母グレートクリスティーヌ(米1勝)の父は快速系のダンチヒであり、その半姉にG1を11勝したレディーズシークレットがいる。鍛錬を積んでも伸びやかさやバネを失わない父サンデーサイレンスらしさも加味されて誕生した。
 2歳11月、京都の芝1200mで新馬勝ちを果たしたものの、5連敗してクラシックへの出走はかなわなかった。5月の中京(芝1200m)を勝ち上がると、5か月間の休養が功を奏し、すっかり軌道に乗る。
 醍醐特別を勝ち上がり、、準オープンでも堅実に上位を賑わすように。4歳4月の淀屋橋Sを制したころには、馬体が20キロもボリュームアップした。夏を迎え、一気の快進撃。佐世保S、北九州短距離Sに続き、セントウルSも連勝で突破した。
 そして、同年は新潟で行われたスプリンターズSへ、堂々の1番人気(単勝2・2倍)を背負って臨む。すでにG1馬となっていたアドマイヤコジーン(半馬身差の2着)、ショウナンカンプ(3着)をマークして3番手を追走。淡々とラップが刻まれ、なかなか前が止まらなかったうえ、直線はインに封じ込まれてしまう。それでも、ラストでぎりぎりのスペースを抜け、ぐいと半馬身の差を付けてゴール。ハイレベルな追い比べを力強く制した。
 これが初騎乗だった武豊騎手も、乗り味を絶賛した。
「枠入りで少し嫌がっても、事前に聞いていた通りだったし、あせりはなかったよ。スタートが決まったし、前を射程圏に入れながら、終始、手応えは楽。間を割れなくても、すっとラチ沿いを突け、よく伸びてくれたね。内容的には完勝だったし、やはり力が違った」
 世界の強豪が相手となった香港スプリントは12着。環境の変化も堪えた。気持ちを新たに阪急杯より再スタート。ただし、イレ込みがきつく、枠入りを躊躇。直線はまったく抵抗できず、9着に敗退する。
 もう燃え尽きたかとささやかれ出し、高松宮記念では3番人気に甘んじる。しかし、ハイペースとなっても好位をキープでき、コーナーから進出。馬なりで先頭に立つと、迫る待機勢をあっさり振り切ってしまった。1馬身差の快勝を収める。
 京王杯SC(8着)、安田記念(12着)と敗退する。ただし、函館スプリントSは格の違いで復活の勝利。セントウルSはハナ差の2着、スプリンターズSでもデュランダルの強襲に屈したとはいえ、わずか15㎝の差での2着だった。
 一気に頂点まで極め、ラストランまで輝きを失わなかったスプリント界の女王。その鮮烈なインパクトは、多くのファンの胸に風化しないままで残っている。
 


第36回 スプリンターズステークス(GI)
1着ビリーヴ      牝4 55 武 豊  松元茂樹
2着アドマイヤコジーン 牡6 57 後藤浩輝 橋田満
3着ショウナンカンプ  牡4 57 藤田伸二 大久保洋吉

 単勝 220円
 枠連 570円
 馬連 590円
 馬単 960円
3連複 810円




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