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『4か国で追いかけた夢』


【2011年 アルゼンチン共和国杯】

 果敢に海外へも挑み、香港ヴァーズ(6着)、アロヨセコマイル(2着)、BCターフ(4着)、マクトゥームチャレンジラウンド3(10着)、ドバイシーマC(11着)と健闘したトレイルブレイザー。
 父はゼンノロブロイ。サンデーサイレンスの後継ながら、パワーやスタミナに優れた産駒が多く、大レース向きの底力にも富む。サンテミリオン(オークス)、マグニフィカ(ジャパンダートダービー)らとともに父の名を高めたファーストクロップの代表格である。
 母リリオ(その父フォーティナイナー)は1勝のみに終わったが、シーロ(リュパン賞、セクレタリアトSなど仏米でG1を3勝)の半姉にあたる。ヘクタープロテクター(仏2000ギニーなどG1を5勝)、シャンハイ(仏2000ギニー)らが祖母の半兄に名を連ねる良血だ。
 2歳9月、新潟の芝1800mで新馬勝ち。ただし、まだ脚元が固まらず、体質的にも弱さが目立った。9か月間のブランクを経て、復帰後は徐々に上昇。翌春の京都、芝2000mで2勝目を挙げる。さらに休養を挟み、玄海特別に3着。九十九里特別を渋太く差し切って、菊花賞(8着)へも駒を進めた。
 しばらくはレース運びが安定しなかったものの、使われながら充実していく。4歳5月に烏丸Sを勝ち切ったころになると、硬くなりがちだった身のこなしもぐっとスムーズに。目黒記念(4着)、宝塚記念(8着)でも見せ場をつくった。
 秋緒戦の古都Sはハナ差の惜敗。それでも、使われた上積みは大きかった。アルゼンチン共和国杯へ。差のない3番人気で臨んだ。好位をリズム良く進み、直線はあっさり抜け出す。
 2度目の騎乗となった安藤勝己騎手は、一変した乗り心地に驚きの表情を浮かべた。
「目黒記念で跨ったときは勝負どころでもたもたしたので、早めに動かしていったんだ。いい競馬になるとは思っていたが、鮮やかな勝ち方にびっくりさせられた。想像以上の反応だったよ。折り合いが付き、乗りやすいしね。前がもっと飛ばすと見ていたなか、思ったよりペースが落ち着き、位置取りもちょうど良かった。もう強さは本物だね」
 ジャパンCでも4着に食い込み、香港ヴァーズへ。帰国緒戦の京都記念も2馬身差の快勝を収める。だが、以降は鼻出血に悩まされた。この年のドバイ遠征は中止。目黒記念(9着)時も体調は戻らなかった。
 そんななか、鼻出血の予防効果があるラシックスが使用できるアメリカへの参戦が構想され、好結果に結びついた。6歳シーズンはドバイにも渡る。
 七夕賞で2着に食い込み、改めて性能をアピール。しかし、結局、以前の輝きは取り戻せず、翌春の日経賞(15着)を走り終えると引退が決まった。
 一時の勢いを考えれば、晩年の成績は物足りないとはいえ、馬名(先駆者との意)のとおり、日本競馬の将来につながる足跡を残したトレイルブレイザー。4か国で夢を追いかけた偉大なチャレンジャーだった。
 


第49回 アルゼンチン共和国杯(GⅡ)
1着トレイルブレイザー 牡4 55  安藤勝己 池江泰寿
2着オウケンブルースリ 牡6 58.5 田辺裕信 音無秀孝
3着カワキタコマンド  牡4 55  柴田善臣 小桧山悟

 単勝  630円
 枠連 1,620円
 馬連 1,620円
 馬単 3,180円

3連複  1万0,810円
3連単  4万8,520円




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