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『トップステーブルの礎となった誉れ高き攻撃機』


【2009年 マイラーズカップ】

 驚異的なペースで勝ち鞍を積み重ね、すっかり日本を代表する地位を固めた矢作芳人厩舎。その歴史とともに歩み、チームに勢いを与えたのがスーパーホーネットだった。
「あと一歩でG1制覇を果たせなかったとはいえ、いつまでもチームの誇り。あの馬に巡り会えたから、自分のやり方に自信を持てた。いまにつながる貴重な経験を積ませてくれ、感謝するしかありませんよ」
 と、矢作調教師は健闘を称える。
 父はロドリゴデトリアーノ。エリモエクセル(オークス)などを送り出してはいたが、種付け頭数が減少していたタイミングで現れた貴重な産駒である。母ユウサンポリッシュ(その父エルセニョール)は未勝利。それでも、整ったバランスや素軽い身のこなしから、トレーナーも早くから確かな才能を感じ取っていたという。
 2歳の9月、札幌の芝1800m(4着)でデビュー。2戦目の芝1500mを豪快に差し切った。デイリー杯2歳Sは出遅れながら3着。くるみ賞を順当に勝ち上がると、朝日杯FSではメンバー中で最速となる34秒0の上りを駆使し、クビ差の2着に浮上する。開業初年度にもかかわらず、ステーブルの名は多くのファンに知れ渡った。
 翌春は弥生賞(5着)から始動し、皐月賞(10着)やダービー(15着)へと駒を進める。秋緒戦の富士Sは14着。苦い戦いを乗り越え、カシオペアSで一気の巻き返しに成功し、1年ぶりに勝利する。
 しばらくは重賞の壁に跳ね返され、マイルCS(9着)、阪急杯(7着)と振るわなかったものの、大阪城Sで4勝目を挙げた。マイラーズC(15着)を経て、都大路Sでまた一変の快勝。だが、安田記念は11着に敗退する。
 ひと皮むけたのが4歳秋。夏場を北海道浦河のシュウジデイファームで過ごした効果は大きかった。ポートアイランドSでは4馬身も突き放して勝利。師も成長を実感していた。
「かつては肉体が未完成。帰厩後2週間で臨んだわけですが、十分に計算して仕上げることができましたね。精神面の難しさも改善され、ワンランク上の調教を施せるようになった。使われた効果も大きく、1週前に坂路で自己ベストタイム(4ハロン49秒8)をマーク。コースで終いを伸ばした最終追い切りの動きも絶好でした。一度レースを使うと、次の競馬を察して自ら追い詰めてしまう傾向が、ようやく和らいできましたよ」
 めきめきボリュームアップ。プラス10キロでもまったく太め感はなかった。鬼門の2戦目にもかかわらず、スワンSでは待望のタイトルに手が届く。駆使した末脚はレースの上がりを1秒6も上回る33秒9の鋭さだった。鮮やかな逆転劇で、厩舎に初のタイトルをもたらす。
 続くマイルCSもクビ差の2着。いよいよ本格化してきた。翌春は高松宮記念(5着)より始動し、京王杯SCに優勝。かつては苦手とした長距離輸送も克服した。安田記念こそ出遅れて8着に終わったが、秋緒戦の毎日王冠を堂々と制覇。稀代の名牝であり、東京コースで無類の強さを誇るウオッカを撃破した価値ある1勝であり、超一流のポテンシャルをアピールした。
 大外を猛然と追い込み、マイルCSは2着。香港マイルも5着に食い下がる。帰国後はしっかり英気を養い、マイラーズCより始動。単勝2・2倍の支持にふさわしいパフォーマンスを演じた。スローな流れにも中団で巧みに折り合い、直線半ばに先頭へ。クビ差の辛勝ではあったが、最後まで余力を残したまま、堂々と押し切る。
 ところが、安田記念は7着。ここで脚元に炎症を起こし、8か月間の沈黙。フェブラリーS(15着)、マイラーズC(9着)と人気を裏切った。
 実力を再認識させたのが、4度目となる安田記念。直線で持ち前の瞬発力を爆発させ、半馬身差の2着に迫る。しかし、これが最後の輝きだった。天皇賞・秋を走り終えると、右前脚に屈腱炎を発症。種牡馬入りすることとなる。
 数少ない産駒よりシゲルノコギリザメ(シンザン記念3着、ファルコンS3着)が存在感を示した。現在は九州に移っているが、父の名を高める個性派の出現を待ちたい。
 


第40回 読売マイラーズカップGⅡ
1着スーパーホーネット 牡6 58 藤岡佑介 矢作芳人
2着カンパニー     牡8 58 横山典弘 音無秀孝
3着スマイルジャック  牡4 57 岩田康誠 小桧山悟

 単勝 240円
 枠連 530円
 馬連 550円
 馬単 900円

3連複  4,900円
3連単  14,010円




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