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『高きプライドをいつまでも』


【2007年 ユニコーンステークス】

小野幸治厩舎の所属としてジョッキー時代を歩み、メルシーステージ(アーリントンC、毎日杯)やサウンドバリヤー(愛知杯)で重賞を制した河北通騎手。調教助手となっても、2015年にチームが解散を迎えるまで仕上げの中心的な役割を果たしたが、視野を広げてくれた貴重な一頭がロングプライドだと話す。
「騎手の引退(09年)を意識し始めていたころに出会い、忘れかけていた夢を呼び覚ましてくれた。想像を超えた強さに震えましたよ」
 父は天皇賞・春や有馬記念に勝ったサクラローレルだが、母ムゲン(その父アジュディケーティング、未勝利)がフェブラリーSやJCダートをはじめ、ダート重賞を8勝したウイングアローの半妹。同馬も砂巧者の遺伝子を色濃く受け継いでいた。
「なかなか態勢が整わず、入厩からデビューまで半年もかかったんですよ。当初は調教も動きませんでした。それが着実に成長。デビュー戦(3歳1月の京都、ダート1800m)は2着に敗れましたが、まだ体が緩かったですし、真剣味を欠いて道中はふわふわしていましたね。使われた上積みは大きかった」
 続く中京のダート1700mは、2着に10馬身もの差を広げる。勢いに乗って沈丁花賞(2馬身差で勝利)に連闘。ゲートで後手を踏みながら、力でねじ伏せてしまった。
「結果的には完勝でしたが、2戦ともほめられた乗り方じゃなかった。折り合いを欠きましたから。この馬のリズムを守れば勝てると思い、端午Sは余裕を持って仕掛けましたよ」
 ここも2着を7馬身も突き放し、3連勝を飾る。そして、ユニコーンSへ。武豊騎手に手綱を譲ることとなったのだが、熱き思いは馬に乗り移っていた。調教やレースで丹念に教え込んだことが、みごとに実を結ぶ。
 暴れる他馬に気を取られ、スタートでは遅れを取ったとはいえ、後方でじっくり脚がたまった。これまでと違ったパターンに戸惑い、直線で追い出したときの手応えはひと息。それでも、エンジンがかかるとぐっと重心が下がり、ラストは矢のような伸びを見せる。先に抜け出したフェラーリピサ(兵庫CS、後にエルムSや根岸Sに優勝)をきっちり捕えてゴールした。
 しかし、これが生涯でベストのパフォーマンスとなった。3歳11月にトパーズSを豪快に差し切ったものの、ジャパンダートダービー(3着)、エルムS(3着)、名古屋グランプリ(2着)、フェブラリーS(4着)など、不器用さに泣くケースが多かった。
 4歳以降は左前に発症した屈腱炎との闘い。7歳時の平安S(9着)まで現役を続けながら、結局、2つ目のタイトルには手が届かなかった。
「もっと走れたはず。ずいぶん歯がゆい思いもしましたね。でも、あの馬のおかげで多くのことを学びました。これからの馬づくりへも生かしていかないと
」  いまでもロングプライドは、ときどき河北さんの胸のうちを疾走し、新たな勇気や希望を与え続けている。
 


第12回 ユニコーンステークスGⅢ
1着ロングプライド  牡3 56 武 豊  小野幸治
2着フェラーリピサ  牡3 57 岩田康誠 白井寿昭
3着ナムラジョンブル 牡3 56 小林徹弥 目野哲也

 単勝 210円
 枠連 280円
 馬連 260円
 馬単 790円

3連複  2,030円
3連単  5,210円




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