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日本ダービー それぞれの騎手の『覚悟』が見えた好レース!


第85回日本ダービー。見応えがあり、とても良いレースだったと思います。

優勝は5番人気ワグネリアン
前走・皐月賞で1番人気ながら7着に敗れた雪辱を見事果たしました。

鞍上の福永騎手は、このレースを勝つことは福永家のまさに悲願だったとのこと。
天才ジョッキーとして名声をほしいままにした父の福永洋一氏でさえ手にしておらず、また息子である自分も資質と環境に恵まれてスタージョッキーとして輝かしい人生を送りながらも勝てなかったのがダービーでした。


数あるG1レースのひとつ。
そう考える若いジョッキーは多いようです。

ただオーナーや生産者、厩舎や報道の関係者などとの関わりが深まるにつれ、そういう考えが変わってゆく者も少なくないそうです。


その点、福永騎手は天才騎手の子どもとして生まれ、常に注目されて期待を集めてきたプレッシャーもあり、レースの重みや勝つことの厳しさはわかっていたでしょう。

当然これほどの騎手なので、過去18回の騎乗のうちでも何頭か勝てそうな雰囲気の馬がいましたが叶わず、19度目の今年ようやく悲願が果たされました。福永騎手のウイニングランの涙には、これまでの様々な感情が込められていたのでしょう。


ワグネリアンの勝因は、福永騎手の勇気です。
腹をくくってポジションを取りに行ったこと、これがレースの全てだと思います。


過去、福永騎手の騎乗パターンは、末脚の切れる馬の場合、スタートから馬のリズムというものを大事にし過ぎてほとんどが後方待機の乗り方でした。ゲートをそっと出せば当然、馬は慌てることなくリズム良く走れます。ただしそれでは良い位置は取れません。

流れが向けばハマるかもしれませんがダービーはそう簡単ではなく、ましてや今のパンパンの良馬場では、ある程度の位置につけたうえで鋭い脚を使えなければ勝てません。

皐月賞のレース回顧で福永騎手の乗り方について、『同じ上がりなら前にいた馬が先着するのは当然、ワグネリアンが加速までに時間がかかる馬だというのがわかっているならもう少し前につけて早めに動き出した方が良かったのでは』と述べましたが、今回、福永騎手は8枠17番の外から馬を出していって中団からやや前めにつけました。

ここで、あえて出していってから良い位置で抑えて折り合いをつけた、このことが大きい。

直線に向いたときには2列目に位置し、ゴール寸前で逃げ馬を捕らえ1/2馬身差をつけて優勝。後方待機だったら絶対に届かなかったでしょう。見事な乗り方でした。


2着は皐月賞馬、4番人気エポカドーロ
皐月賞では好位から抜け出して快勝、今回も同じようなレース運びをするかと思っていたら戸崎騎手はまさかの逃げ。マークされるリスクを覚悟の上でペースを自ら作りました。

前走で負けたのなら戦法を変える試みもわかりますが、現実は大レースを制したのだからそうそう変えようとは思わないのが普通です。そこをあえて逃げたのは鞍上の度胸あってこそ。おそらく距離もコースも皐月賞とは全く違う府中の舞台、長い直線を考えて、切れ味勝負に賭けるのは分が悪いと判断したのでは。それで少しでも前にいて自分のペースを作り、最後まで脚がもつと信じてゴールまで粘り込むというレースをしたのでしょう。
敗れはしましたが素晴らしいレース運びでした。


馬の能力が拮抗している今年のダービーは、それぞれの騎手が自分なりの覚悟を見せてくれたレースであったと思います。



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