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『静かに燃える誠実なチャンピオン』


【2013年 帝王賞】

 3歳1月に迎えたデビュー戦(京都のダート1400m)は11着と見せ場なく終わったホッコータルマエ。ただし、2戦目で一変。小倉のダート1700mを勝ち上がった。500万クラスは3戦で卒業する。
 西浦勝一調教師は、こう若駒時代を振り返る。
「幸運な巡り会い。セリ(HBAセレクションセール・1歳にて1500万円で落札)で見たときから、トモの張りが良く、しっかりした馬格。それでいてバランスも整い、品があったよ。ひと目で気に入った。ただし、あんなに奥があるなんて、とても想像できなかったなぁ。2歳7月に入厩したころは幼さが前面に出ていたね。ゲート試験に受かり、函館競馬場へ移動させたところで、脚元に疲れが出てしまって。ファンタストクラブでしっかり立て直したのが成長につながった。当初の動きは目立たなかったし、スタートも上手くはなかったけれど、調教を積むごとにたくましさを増していく。一戦ごとにレース運びも安定してきた」
 様々なカテゴリーに一流馬を輩出し、砂巧者も多いキングカメハメハの産駒。母マダムチェロキー(その父チェロキーラン)はダートの中距離で4勝をマークした。アメリカで繁栄しているファミリーであり、近親に重賞2勝のプリティーパーフェクトなどがいる。
 4月の阪神(ダート1800m)では2着に6馬身差を付ける圧勝劇を演じた。端午S(クビ+ハナ差の3着)に続き、青梅特別を順当勝ち。ジャパンダートダービー(5着)にも挑戦した。レパードSは、ハナ差の辛勝だったが、息の入らないペースを早め先頭から押し切る強い内容だった。
「左手前に替えるのが苦手だったり、まだ粗削りな段階。さらなるパワーアップを見込んでいたよ。自分で体をつくってしまうから、調整に苦労はない。スイッチのオン・オフも巧みで、装鞍までリラックスしているのに、パドックで気合いが入るのが心強かった」
 歴戦の古馬を相手に、みやこSをクビ+クビ差の3着。デビューして1年が経過していないのにもかかわらず、ジャパンCダートでも3着に健闘した。フェアウェルS(2着)、東海S(3着)と勝ち切れなかったものの、佐賀記念では2つのタイトルを奪取。以降は名古屋大賞典、アンタレスS、かしわ記念と破竹の勢いで勝利を飾る。
 そして、帝王賞ではチャンピオンの座を固めた。前走比でプラス12キロでも、太め感はまったくなかった。行きたい馬を前に置き、3コーナーから進出。ゆったりしたペースの決め手比べとなっても、危なげなく抜け出した。
「順調に賞金加算がかない、目標を定めて仕上げられるようになったのが大きかった。すっかり軌道に乗ったよ。使われていいタイプだけに、筋肉に張りが出て、どんどんたくましくなっていく。普段は無駄な力を使わないうえ、一段と集中力も高まり、スタートでは前を見据えて扉が開くのをじっと待っている。それでいて、いざとなれば旺盛な闘争心を燃やすんだ。教えてできることじゃない。レースが大好きで、喜んで走っているように映る。他のトップクラスと比べても、そこが違うね」
 南部杯は2着に敗れたが、秋もJBCクラシックでビッグタイトルを手にする。4歳時のJCダートも3着に惜敗したとはいえ、東京大賞典で復権を果たした。川崎記念も堂々と勝ち切った後、フェブラリーS(2着)をステップに、ドバイワールドC(16着)へと旅立つ。
「異変に気付いたのはゲートインとなってから。しきりに嫌がる素振りを見せた。あんなことは初めてだったし、思いのほか、環境の変化が堪えたのかもしれない。苦い経験をきちんと受け止め、いい状態で再チャレンジできるよう、精一杯の手を施したよ」
 5歳暮れにはチャンピオンズCを正攻法で押し切り、東京大賞典も4馬身差で楽勝。川崎記念を勝って、再びドバイWCへ。果敢に逃げ、5着を確保した。帰国初戦の帝王賞も、人気(単勝1・5倍)通りに優勝。以降のG1を3連敗したが、いずれも差はわずかだった。
 川崎記念の3連覇を達成し、7歳時もドバイに挑む。世界の壁を痛感させられる9着。それでも、帝王賞(4着)、南部杯(3着)、JBCクラシック(2着)と、衰えなど見せずに存在感を示した。チャンピオンズCの直前に歩様が乱れたため、予定を早めて引退が決定したが、全39戦(17勝)してG1を10勝。偉大な足跡を残した。
 種牡馬としても、期待が高まる。きっと我慢強く、成長力に富んだ優駿を送り出すに違いない。
 


第36回 帝王賞JpnI
1着ホッコータルマエ  牡4 57 幸英明 西浦勝一
2着ニホンピロアワーズ 牡6 57 酒井学 大橋勇樹
3着ワンダーアキュート 牡7 57 武 豊 佐藤正雄

 単勝 410円
枠連複 470円
馬連複 460円
枠連単 950円
馬連単 990円

3連複  960円
3連単 3,850円




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