平日コンテンツ

『スピードとスタミナを兼備した真のチャンピオン』


【2015年 菊花賞】

 集大成となった有馬記念で7つ目となるGⅠのタイトルを勝ち取り、豊年、大漁の「まつり」で締めくくったキタサンブラック。種牡馬としても期待は大きい。オールマイティーな才能に恵まれた真のチャンピオンホースだけに、多彩なカテゴリーに活躍馬を送り出すに違いない。
 ディープインパクトの全兄らしく、コンスタントな勝ち上がりを誇るブラックタイドが父。母のシュガーハートは不出走だが、その半姉にアドマイヤキセキ(日経新春杯を2着したアドマイヤフライトの母)ら。祖母オトメゴコロが4勝をマークしている。
 清水久詞調教師は、こうデビューまでの歩みを振り返る。
「1歳夏に初めて見た当時も、ほれぼれする雄大な馬格。サクラバクシンオーの肌ですし、母系は短距離色が強いのですが、とても伸びやかです。ただ、中身がしっかりするのは遅め。新冠育成公社で無理せずに乗り込まれました。ただし、トラブルとは無縁でしたし、暮れの入厩後もスムーズに態勢が整いましたよ。緩さを残しながら、追い切りでも仕掛けてからの反応は上々。ストライドが大きく、ゆったり加速します。広いコース向きと見て、レースを選びました」
 3歳1月に東京の芝1800mで新馬勝ち。出たなりで中団の位置取りとなったが、リラックして追走でき、直線は大外から豪快に差し切った。連続して府中に向かい、芝2000mを連勝。ここでは2番手よりあっさり抜け出し、後続に3馬身の差を付けた。
 無敗のままでスプリングSも突破する。スローペースの2番手で悠々と脚をため、息の長い伸びで後続を完封。クラシックに王手をかけた。
「小回りの中山にもきちんと対応。理想的な展開に持ち込めました。レースセンスは天性のもの。どんなポジションでも、意のままに走れますよ。キャリアが浅いなかでも、ずっと関東圏でステップを踏み、輸送も難なくクリア。ほんと素直で手がかかりません。調整は楽ですね。年明けデビューなのに、春の大舞台に間に合うなんて、非凡なポテンシャルの証明です」
 皐月賞は決め手比べに屈したものの、3着に健闘。息の入らないペースを先行し、ダービーは14着に沈んだ。だが、夏場のリフレッシュを経て、さらに成長。秋緒戦のセントライト記念を堂々と押し切る。
「ダービーでは少しイレ込みましたが、一段と態度がどっしりし、大人っぽくなりましたよ。体重が増え、中身が詰まってきた実感はありました。そんなかか、まだ良くなる余地はたっぷり。骨格を考えれば、線が細いくらい。もっと筋肉が備わり、パワーアップすると見ていましたね」
緩急が極端な流れとなった菊花賞を巧みに乗り切り、直線で力強く馬群を割った。開業7年目だったトレーナーに初のGⅠ勝利をプレゼントする。
「いい枠(2枠4番)を引き、思い描いたとおりに2、3列目のポケットで運べました。北村くん(宏騎手)も最高の騎乗をしてくれましたよ。血統的に距離への不安がささやかれていましたが、どう見ても長距離が体型。こなせると信じていました。それでも、ゴール前は頭が真っ白になり、つい叫んでしまって。やはりクラシックの重みは違います」
 有馬記念(3着)や大阪杯(2着)も差はわずかだった。天皇賞・春を制したうえ、ますますスケールアップ。宝塚記念(3着)、京都大賞典(1着)を経て、ジャパンCに快勝した。
「この馬にふさわしい調教を求め、オーバーワークにならないように配慮してきたなかでも、鍛えるごとに強靭さを増していく。こんなに負荷をかけた経験はありません。年度代表馬になっても、まだ完成は先との思いがありましたね」
 有馬記念はクビ差の2着だったものの、5歳時の充実ぶりは目を見張るものがあった。大阪杯を堂々と押し切り、天皇賞・春ではレコードタイムを大幅に更新。早め先頭から後続を寄せ付けなかった。
 張り詰めた気持ちが途切れ、期待を大きく裏切った宝塚記念(9着)。陣営は汚名返上に燃え、きちんと立て直しが図られる。過酷な不良馬場を簡単に跳ね除け、天皇賞・秋に優勝。ジャパンC(3着)は徹底マークされたのに加え、左前を落鉄していたのも敗因だった。そして、有馬記念へ。みごとに有終の美を飾る。
「あらゆる面で優れた馬です。奥深い能力はもちろん、健康的で丈夫。ローテーションを欠席したことがありません。新馬からラストランまで、すべてがいい思い出。私にとって、かけがえのない財産ですよ。早く子供を手掛けたい」
 


第76回 菊花賞GⅠ
1着キタサンブラック 牡3 57 北村宏司  清水久詞
2着リアルスティール 牡3 57 福永祐一  矢作芳人
3着リアファル    牡3 57 Cルメール 音無秀孝

 単勝 1,340円
 枠連 1,430円
 馬連 3,870円
 馬単 9,960円

3連複  4,640円
3連単  38,880円




Copyright © 2006 WORLD, Inc All Rights Reserved.
このサイトに掲載の記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。すべての著作権はWorldに帰属します。

前のページへ戻る

PAGE TOP