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実質“半分の距離”の菊花賞 逃げ先行勢はスローすぎて『自滅』


牡馬クラシック最終戦、第79回菊花賞が京都競馬場で行われました。

この3000mの長丁場では逃げ馬、そして途中から動き出す馬によりペースがかなり変わってしまいます。

また逃げるにも逃げ方というものがあって、『スピードやスタミナが豊富で後ろから行く馬の脚を使わせる(ゴール前の脚を残さない)』ようなペースで引っ張るパターンもあれば、『後続の馬をガッチリ抑えつつ自分の体力・脚を温存するために非常に緩いペースで逃げる』場合もあります。もちろん“この馬は毎回こういうペースで逃げる”と決まっているわけでもなく、馬場状態やメンバー構成、ジョッキーの考えなどにより変化しますが…。

前残りの競馬になるのか、または差し馬有利な展開となるのか、ペースを握る馬の仕掛けひとつでゴール前の様相は一変します。


今年の菊花賞は、まず逃げるであろうと思われたアイトーンがハナに行けず、前走セントライト記念を快勝の4番人気ジェネラーレウーノが好スタートから先手を取ってペースを作り、前半1000mから超がつくほどのスローペースになりました。

逃げるジョッキーというのは当然、逃げ切りを狙います。馬の体力を温存するため、できる限りペースを落として、ゆったりとリズム良く走らせるのは大事なこと。ジェネラーレウーノ鞍上の田辺騎手はかなり良いペースで行けていると感じていたでしょう。

向正面に入っても後ろから上がっていく馬がおらず、3コーナーに差し掛かっても馬群はまだ動かない。ペースがこれだけ遅いにもかかわらず動きがないのは、騎乗しているジョッキーたちならわかるでしょうが、「自ら動いて体力を消耗したくない、誰か他のジョッキーが動くだろう」と考えるからです。そしてそのまま残り3Fまでレースは進んでいきました。


今年の菊花賞は、3000mの競馬が実質半分の1500mくらいのレース内容になりました。

ジェネラーレウーノは、はじめのうちはスローでうまく逃げていたおかげで3着までには残れるはずと思って見ていましたが、結果的にヨーイドンの末脚勝負になってしまったため、鋭い脚を使えないジェネラーレウーノは馬群に飲まれて9着。

エポカドーロも、逃げ馬のすぐ後ろの位置につけて折り合い抜群、道中はこれなら勝てるかもしれないと期待できるほどの走り・位置取りで進みながら、やはりこの馬も鬼脚というよりはバテずに長く脚を使えるタイプで8着。
2頭とも末脚勝負には不向きな脚質なので掲示板に載ることもできませんでした。


結果論ですが、いくらスローペース有利とはいえ今回はあまりにも遅すぎた、そのひと言に尽きます。

田辺騎手はもう少し後続に脚を使わせるペースを作らなければならなかった。
そうすれば長く良い脚を使える、しかも実力のあるこの2頭ならば上位に粘り込めたのではないでしょうか。

ただし、僕が田辺騎手の立場であっても、自分がハナに立ってペースを握れたことで心の中で“ラッキー”と思いつつペースをできるだけスローに落として乗っていたと思います。

それだけ、逃げ切りは難しいものです。
自分の馬だけがラクをすれば良いわけではなく、いかに他馬にラクをさせない乗り方、ペース作りをするかという点も考えなければなりません。

ペースが遅すぎたために前が総崩れになるという、少し珍しいレースでした。


優勝した7番人気フィエールマンは、展開としては決して向いていないと思いますが、ディープインパクト産駒らしい鋭い決め脚でゴール寸前、前を捕らえました。ポジション的には厳しいレースながら勝てたのは、ルメール騎手が外を回すことなく馬群を割っていったおかげでしょう。

1800mばかり3戦、それも前走のラジオNIKKEI賞2着から3か月半ぶりのレースということであまり人気はありませんでしたが、展開に恵まれたとはいえやはり相応の実力がなければこの大レースは勝てないでしょう。次のレースでどういう走りをするのか、あらためて注目したい馬です。



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