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『積み重ねを糧に輝かしい栄光へ』


【2014年 阪神牝馬ステークス】

 阪神の芝1600mでデビュー戦を迎えたのは、桜花賞が行われた当日、ようやく競馬場に初登場したスマートレイアー。既走馬を相手に余裕の差し切り勝ちを演じた。
 父はサンデーサイレンスの地を華やかに発展させ、7年連続してリーディングのトップを独走するディープインパクト。母スノースタイル(その父ホワイトマズル)は北海道競馬の認定競走を勝ち上り、JRAで2勝をマークした。同馬の半兄にカントリースノー(4勝)。京都新聞杯を制したプラチナムバレットは半弟にあたる。
「父というより、母系の特徴を受け継いだコロンとしたスタイル。1歳で出会ったころは、こんな切れ味を秘めているとは想像できなかったですね。それに、体質も弱くて。大きなトラブルはなかったのですが、脚元が浮腫んだり、疲れがたまったりを繰り返し、入厩できる態勢が整うのに、ずいぶん時間がかかりました」
 と、大久保龍志調教師は若駒当時を振り返る。
 坂東牧場での基礎固めを経て、2歳秋には宇治田原優駿ステーブルへ。さらにノーザンファーム天栄に環境を替えて乗り込みを進め、栗東に移動したのは3歳3月になってからだった。
「デビューが遅れたことも、結果的には成長につながった。普段はとても大人しく、扱い自体は楽。それでいて、いざとなれば気が入り、メリハリの利いたタイプなんです。イメージ以上に反応は鋭く、身のこなしも柔軟。15-15を始めた時点で、これはものが違うと思わせましたよ」
 初の長距離輸送で大きく体を減らしながら、5月東京(芝1800m)も2番手からラスト32秒8の脚を繰り出し、あっさり連勝を飾る。3か月間のリフレッシュ明けとなった三面川特別は4着に終わったが、夕月特別を順当に勝利。一気にハードルを上げて秋華賞へ駒を進めた。出遅れて後方に置かれたものの、直線で大外に持ち出すと鋭く伸びて2着に食い込む。愛知杯(6着)は追って案外だったが、大阪城Sで鋭い決め手を駆使。楽勝を飾った。
 阪神牝馬Sが次のターゲット。単勝2・2倍の1番人気に推された。大きく出遅れてしまい、後方に置かれた。それでも、エンジンの違いを見せ付け、直線一気に突き抜ける。ラスト3ハロン(33・3秒)は、レースの上がりを1秒5も凌ぐ圧倒的なものだった。
「まだき甲が抜け切らず、幼さが前面に出た状況にあり、頼りなさが残っていたのに。きつい競馬となったなか、改めて非凡な才能を感じ取ることができましたね。以降は気難しい面に阻まれて、極端な競馬でないと力を発揮できないのがパターン。ずいぶん歯がゆい思いをしましたが、奥深さは想像以上でしたよ。徐々に繊細さが薄れ、しっかり鍛えられる体力が備わってきたんです。つかみ切れない部分が多いぶんも、変わる可能性を秘めていると信じ、慎重に状態を見極めながら、手前の替え方など走りが粗削りな状況の改善に努めました」
 ヴィクトリアマイルは8着。クイーンS(3着)、府中牝馬S(2着)、翌春の阪神牝馬S(4着)などで一流の素質を垣間見せながら、米子Sに勝つまで7連敗。しかし、再び府中牝馬Sを2着、エリザベス女王杯に5着と、安定味を増していく。東京新聞杯に続き、阪神牝馬Sもしっかり勝ち切った。6歳時のヴィクトリアマイルでは4着に善戦。府中牝馬S(3着)、さらに香港ヴァーズ(5着)でも崩れなかった。
 7歳になって、ますます快調。京都記念(2着)、ヴィクトリアマイル(4着)、鳴尾記念(2着)を経て、京都大賞典で4つ目の重賞制覇を成し遂げる。エリザベス女王杯(6着)、香港C(5着)での健闘も忘れてはならない。
 丁寧なレイアー(層、積み重ねなどの意)を糧にして、翌年の有馬記念(13着)まで全35戦を懸命に戦い続けたスマートレイアー。繁殖としても、きっと息長く存在感を示すこだろう。
 


第57回サンスポ杯阪神牝馬S(GⅡ)
1着スマートレイアー  牝4 54 武 豊  大久保龍
2着ウリウリ      牝4 54 福永祐一 藤原英昭
3着ローブティサージュ 牝4 54 シュタル 須貝尚介

 単勝  220円
 枠連  420円
 馬連  630円
 馬単  870円

3連複  4,850円
3連単  12,150円




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