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『天高く澄み渡った青空へ』


【2015年 NHKマイルカップ】

 芝・ダートを問わずコンスタントに勝ち上がるクロフネの産駒。松田国英厩舎で調教助手を務めていた当時に跨った友道康夫調教師は、こう乗り味を表現する。
「背中に安定感があり、とても力強い。あの仔も共通する魅力があり、ダートも走りそうな雰囲気を感じていました。それでいて、高速馬場に対応できるのがすごいところです」
 長所をストレートに受け継ぎ、NHKマイルCの父仔制覇を成し遂げたのがクラリティスカイだった。母タイキクラリティ(その父スペシャルウィーク)は1勝のみに終わったが、祖母タイキダイヤがクリスタルCの覇者であり、タイキフォーチュン(NHKマイルC)、タイキリオン(ニュージーランドT)などを送り出している優秀なファミリーだ。ラジオNIKKEI賞やダービー卿CTを2着したクラリティシチーは、同馬の半兄にあたる。
「1歳で出会った当初でも、父らしくボリュームがあり、しっかりしたスタイル。体力面にも余裕があり、管理馬で一番早く、4月にはトレセン近郊(吉澤ステーブルWEST)へ移動しました。翌月の入厩後も順調そのもの。成長を妨げないよう、目一杯の調教を課していなくても、完成度は2歳馬離れしていましたね。おっとりした性格で、手がかかりません。学習能力も優秀。ひと追いごとに反応が上向いてきました」
7月に中京(芝1400m)で迎えたデビュー戦は、集中力を欠いて4着。翌週の同条件に連闘したものの、スタートで躓き、2着に終わった。
「小倉を使っても、すぐ勝てたでしょうが、夏場に消耗させたくはなかった。いったん放牧を挟んだ効果があり、体にメリハリが出ましたよ。これなら、軽い芝でも動けると見ていました」
 操縦性が高まり、追い出されてからの伸びもぐんと良化。9月の阪神(芝1800m)を鮮やかに突き抜ける。好位のインで巧みに折り合い、いちょうSを楽々と抜け出した。タイムはレコード。熾烈な2着争いを尻目に、2馬身の差を付ける完璧な内容である。
「すぱっと切れるというより、長くいい脚を使えるタイプだけに、広々としたコースが合っている。朝日杯FS(3着)が阪神の外回りに移ったのは好都合でしたが、ハイペースに脚がたまらなくて。翌春に弥生賞(6着)、皐月賞(5着)と使っても、まだ緩いところも残っていました」
 東京のマイルが最適との見解は、横山典弘騎手と一致。NHKマイルに照準を定める。好位で行きたかるのを我慢させ、じっくりと追い出しを待つ。直線で前が開いた瞬間にスパート。あっさりと前を捕える。
「ジッキーも強気に乗ってくれ、理想的な位置取り。あとは交わすだけでした。前残りが心配でしたが、楽でしたね。間隔を詰めたほうがいいタイプ。皐月賞も状態は良かったとはいえ、また馬が良化していましたよ」
 ところが、以降は無念の19連敗を喫する。美浦に転厩し、京成杯オータムH(4着)、中山金杯(2着)、小倉大賞典(3着)などで能力を垣間見せながらも、復活の勝利は挙げられなかった。
 それでも、青春のまっただ中で演じた一点の曇りもないパフォーマンスが忘れられないクラリティスカイ。澄み渡った青空へ、天高く飛び立った勇姿は、多くのファンの目に焼き付いている。
 


第20回 NHKマイルカップ(GI)
1着クラリティスカイ 牡3 57 横山典弘 友道康夫
2着アルビアーノ   牝3 55 柴山雄一 木村哲也
3着ミュゼスルタン  牡3 57 柴田善臣 大江原哲

 単勝  640円
 枠連 1,510円
 馬連 2,800円
 馬単 5,990円

3連複  6,200円
3連単  36,720円




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