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ヴィクトリアM レーン騎手の“巧さ”を感じた瞬間はココ!


先週は牝馬のマイルG1、第14回ヴィクトリアマイルが東京競馬場で行われました。

優勝は5番人気ノームコア
ずっと1800~2200Mのレースに出走し好走を続けていた馬が、1年半ぶりのマイル戦となるこのレースで見事G1初勝利をあげました。驚いたのはその勝ち時計。クビ差抑えた2着馬プリモシーンとともに世界レコードの1:30.5という凄いタイムを叩きだしました。

日本の馬場は速いタイムが出やすいと言われますが、これはひとえにJRAの馬場保全課が長い年月をかけて努力してきた結果でしょう。サラブレッドの細くてデリケートな脚には、スピードが速くなればなるほど大きな負担がかかってしまうことは明白、それらの問題も考慮しつつ馬場を改良し、今日の日本競馬を高いレベルに引き上げました。

その馬場の良さを背景にして、今回ヴィクトリアマイルがこれほどまでに高速決着となった要因として、ひとつに2番人気アエロリット鞍上の横山典騎手の乗り方にあると思います。世界レコードが出るような競馬になったのはアエロリットの逃げがあってこそ。

アエロリットは、ピッチ良くラップを刻み後続馬に脚を使わせるペースでレースを進めて、自らも“ため逃げ”(緩いペースで脚をためつつ逃げるレース運び)はしない脚質が特長。
今回はスタートで少々立ち遅れて、先頭に立つまでにいつもより手間取ってしまいました。
普段は臨機応変な乗り方をする横山典騎手ですが、この馬は変に小細工するよりも真っ向勝負する方が良いと判断し、手綱を押していってでも逃げの形を作ったのでしょう。

しかし速い流れの中をさらに押して先頭に立ち、馬群を引っ張っていって前半の半マイルが44.8秒。1ハロン目はともかく2ハロン3ハロン目が10秒台というのは速すぎます。
自身が潰れてもおかしくなく、それでも0.4秒差の5着に残ったのは凄いこと。アエロリットの底力を見せつけられた感じです。

さて、そんな流れのレースの中、ノームコア鞍上のダミアン・レーン騎手は中団でしっかりと脚をためながら1番人気馬ラッキーライラックを見る形でのレース運び。オーストラリアの若き天才との評判どおり、じつに上手く乗っていました。

個人的にはあまり好みじゃない騎乗フォームですが、外国の芝が長いタフなレースコースでは多分この乗り方が主流、合理的なのでしょう。若いのに、素晴らしい騎乗技術を持つジョッキーですね。

直線を向いたときには前を行くラッキーライラックとかなり間隔がありましたが、追い出しはじめて外側からステッキを入れながら徐々に内側の馬に接近、ゴール前でこれ以上ステッキを外から入れたら内に寄って後続馬の進路を妨害するおそれがあると察したのか、たった2完歩でステッキを持ち替えると今度は内側から叩いて走りを修正していました。

自分が今どこを走っているか、周囲の馬との距離感を掴み斜行はしていないか、などを考えながら瞬時に切り替えていくあたり、非常に感心させられました。

天性の才能に加えて磨かれた感性、高い騎乗技術がないとできないこと。日本人ジョッキーでこういう技ができるのはほんの数人でしょう。ルメール騎手が騎乗停止となっている現在、最も目が離せないジョッキーです。



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