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『斬新にモデルチェンジしたレトロな個性派』


【2010年 安田記念】

開業23年が経過し、実力派の地位をしっかり固めている杉浦宏昭調教師。3歳マイル王に輝いたテレグノシス(NHKマイルC)を送り出したのに続き、2010年には安田記念を制覇した。道悪巧者として知られていたショウワモダンが、高速決着を豪快に差し切り。強烈なインパクトを残した。
「あの一戦を獲るために生まれてきた馬のように思えるよ。なにか特別なことをしたわけではない。なかなか全力を出してくれずに歯がゆかったし、馬の特徴は簡単に変えられないなか、最高の状態が整った。不安定だった気持ちがひと皮むけ、自信を付けていたんだろう。そして、位置取りも、追い出しのタイミングもぴたり。持てる力を最大限に発揮できたね」
 と、トレーナーは振り返る。
 5歳にして本格化し、安田記念やマイルCSを制したエアジハードが父。祖父はサクラユタカオー(天皇賞・秋)であり、父仔3代に渡ってG1優勝を果たしたことになる。母ユメシバイ(その父トニービン)はセンリョウヤクシャ(阪急杯)の半妹にあたり、4勝をマーク。同馬の半兄にユメノシルシ(新潟記念)がいる。
 社台ファームでの育成時も能力を高く評価されていたが、いまひとつ真面目さを欠き、2歳時は惜敗を重ねた。6戦目となった中山(芝1600m)で初勝利。若竹賞も連勝し、スプリングS(4着)やニュージーランドT(8着)、ラジオNIKKEI賞(11着)にも駒を進めた。
 パワーに優れ、秋緒戦の紅葉特別は不良馬場での快勝。4歳2月にはダート1400mの斑鳩Sを押し切った。ダービー卿CT(6着)以降は足踏みしたが、降級2戦目のノベンバーSをぎりぎり逃げ切り、再びオープンへ。中山コースが最も得意なだけに、ニューイヤーSの2着を経て、東風Sに勝利。ただし、5歳時のダービー卿CTも8着に敗退し、重賞では決め手不足に思われた。
 福島テレビOP(2着)では健闘できても、福島記念(11着)まで7連敗。ディセンバーSでの勝利も、少頭数や展開に恵まれた感が強かった。それでも、タフにレースを重ねるうち、中山記念(3着)、東風S(3着)と成績が上昇する。
 3度目のチャレンジとなったダービー卿CTは、すっと2番手をキープ。あっさり逃げ馬を交わすと、後続に1馬身の差を付けた。14回目の出走となった重賞で、ついに念願が叶う。59キロの酷量を背負いながら、メイSを鮮やかに連勝。イメージを一新させる鋭い末脚を繰り出した。中1週で安田記念に登場すると、初となるG1の舞台でも遅咲きの血を一気に爆発させたのである。
 ピークの季節は短く、結局、その後は8連敗。安田記念を前に鼻出血を発症してしまい、ターフを去った。全47戦を懸命に走り抜けたのにもかかわらず、馬事公苑で乗馬となって半年、事故でこの世を去ったのが惜しまれる。
 だが、6歳春に突然、訪れた快進撃は、令和に時代が変わっても新鮮な驚きを伴って蘇ってくる。平成の競馬史上に異彩を放つ個性派だった。
 


第60回安田記念(GI)
1着ショウワモダン   牡6 58 後藤浩輝 杉浦宏昭
2着スーパーホーネット 牡7 58 藤岡佑介 矢作芳人
3着スマイルジャック  牡5 58 三浦皇成 小桧山悟

 単勝  1,390円
 枠連  2,200円
 馬連 12,640円
 馬単 26,640円

3連複  53,850円
3連単  348,740円




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