平日コンテンツ

日本ダービー 浜中騎手の表情が印象的でしたね


独特の厳かな雰囲気の中で鳴り響く、生演奏によるG1ファンファーレ。

年に何度も行われるG1レースで流れ、聞き慣れているはずのファンファーレですが、ダービーのときだけは演奏が流れた瞬間に鳥肌がたちます。競走馬にとって一生に一度の晴れ舞台、競馬関係者にとっても特別な大レース。まだ勝ったことがない騎手に今年は勝ってもらいたい、そしてダービージョッキーと呼ばれることの重みや騎手としての幸せを味わってもらいたいという思いとともに毎年、緊張感をもってレースを観ています。

今年、栄えあるダービー馬に輝いたのは12番人気ロジャーバローズ
前走G2京都新聞杯は良い内容の2着ながら、その前のスプリングSで7着に敗れたことが人気にならなかった理由でしょうか。ただ人気がなかったおかげで鞍上の浜中騎手は過度なプレッシャーを感じずにすみ、馬の持ち味を遺憾なく発揮させることができたのではないかと思います。


今年のダービーはリオンリオンの逃げから始まりました。
横山典騎手が騎乗停止のため、その息子である横山武騎手に託されたリオンリオンは7枠15番からのスタート。逃げると決めていたのでしょう、手綱を押して押して、ハナに立つまで絶対に退かないとの強い気持ちで乗っていたようでした。その心構えは勝負に際してとても大事なことであり評価したいところ。ただしこの乗り方、逃げを打つというのであれば、1コーナーに入るまでには先頭に立って、それからは可能な限りスローに落として体力の温存をする乗り方をしなければなりません。

しかし横山武騎手は馬の行く気に任せて気分良く走らせてしまい、その結果1000M通過が57.8秒。前週レースレコードを出したオークスもそうでしたが、あまりにも速すぎるペース。
そのリオンリオンを見ながら、そこから離れた2番手でうまく折り合いをつけ、リズム良くスムーズな追走をしていたのが勝ったロジャーバローズです。2番手でも実質的には丁度良いペースで逃げているようなものなので馬には負担がなく、じっくり脚をためながらのレースができました。

後続馬はといえば、有力馬の出かた・位置取りなどを探り合ってお互い動くに動けず、そのため全体的に大きな動きはないまま直線まで進み、その時点でもロジャーバローズはノーマーク。そして浜中騎手は逃げ馬を捕らえると、直線で逃げ込みを図りました。

人気馬のジョッキーたちは周りの様子を見ながらの追い出しになった分、前を捕らえるための仕掛けが遅れてしまい届かず、結果、人気上位3頭は2・3・4着となりました。


ロジャーバローズは勝負根性を発揮してよく粘り、最後まで良い脚を使ってくれましたね。
ゴール後の浜中騎手の表情が良かった。「あれ?勝っちゃった?」「なんで後ろから来なかったんだろう」そんな頭の中の声が聞こえてきそうな、喜び以上に戸惑いの色が浮かぶ顔が印象的でした。

2番手でレースを進めた浜中騎手にしてみれば、道中はペースや馬のリズムに集中して騎乗し、仕掛けたあとはゴールまで粘り込むために追うことで必死なので、後ろで何が起こっているかわかりません。当然ゴール前で人気馬たちが差してくるものと覚悟しながら追っていたのが気づけば自分が先頭でゴール、何が何だかわからないままインタビューで“まだフワフワしている”と語っていたのがなんとも微笑ましく映りました。

最内枠も含め、展開を味方につけたのが最大の勝因と思いますが、冷静に馬の力を最大限に引き出す騎乗をした浜中騎手と、その騎乗に応えて最後まで走り抜いたロジャーバローズ、ともにダービーの勝者に相応しい素晴らしいレースを見せてくれました。


1番人気サートゥルナーリアは、スタートで痛恨の出遅れ。
そのためポジションが悪くなり3コーナーから早めに始動せざるを得ませんでした。ただ最速の上がりで4着までくるのは底力でしょうが、敗因はそれだけとも思えません。本当に抜けて強い馬ならば、例えば同じくらい人気になっていたディープインパクトなら、仮に出遅れていても勝っていたでしょう。

また、ルメール騎手の騎乗停止でレーン騎手がサートゥルナーリアに乗ることになりましたが、やはりダービーでのテン乗りは勝てないとのジンクスは破れませんでした。仮にルメール騎手なら……、というワケではありません。やはり日本ダービーという特別な舞台は、そう簡単ではないということです。



Copyright © 2006 WORLD, Inc All Rights Reserved.
このサイトに掲載の記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。すべての著作権はWorldに帰属します。

前のページへ戻る

PAGE TOP