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エプソムC 超スローペースは一体どのようにして生まれたのか


関東が梅雨入りした先週、日曜日は雨天の東京競馬場でG3レース、第36回エプソムカップが行われました。

馬場状態は稍重。
メンバー構成から、8枠14番に入った4番人気ダノンキングダムが大外枠を生かしてスタートを切り、道中は逃げてスローペースにおとし楽々レースを進める形になるだろうと予想した人が多いでしょう。ここ数戦は逃げて好成績を収めてきた馬なのでそう考えるのが自然です。

ところがいざレースが始まると、前走の府中Sを好位のレースで勝利かつ内容も良かったこともあってか鞍上の三浦騎手は逃げずに好位の3・4番手でのレースを選択しました。

あまり逃げ馬が見当たらないレースでは“それじゃあ自分が行こうかな”と考える騎手が何人もいることがあり、その場合は先行争いが激しくなってハイペースになりがち。

それは僕も現役時代によく経験したことで、スタートを出していって馬を押して押して逃げようとすると、何頭もの騎手が同じような乗り方で競ってくる。失敗したな、と嘆くことが何度もありました。


基本的にはダノンキングダムが逃げるにしても、積極的に逃げる馬がいない今回のレースではそんな展開になってもおかしくなかったのですが、そうはなりませんでした。


逃げ馬が1頭。

しかし他の騎手たちは自分が逃げることを選ばなかった。

そして逃げると思われたただ1頭の馬も、結果逃げなかった。

ペースが遅くなるのは必然でしょう。



結局、好スタートを決めたのは5番人気レイエンダと7番人気サラキア、この2頭だけがゲートが開いた瞬間に身体が出ていた感じでサラキアが逃げる形になってしまい、鞍上の丸山騎手としては他の誰かがハナに立つだろうと待っていたようですが誰も来なかったため、仕方なくそのまま先頭でレースを進めるという流れになりました。

スタートの時点から誰も押していかないものだから超がつくほどのスローペースになり、1000M通過が63.9秒。これは、1000M通過時点で中団よりも後ろに位置する騎手たちがもう届かないと諦めるレベルのペースです。また稍重の馬場のせいで、体力を温存しておきたいとの意識がはたらき、このような特殊な流れになってしまったのでしょう。

結果的に2番手のルメール騎手騎乗レイエンダが勝ち、逃げたサラキアが2着。
“行った行った”のレースでした。いわゆる、残り3Fからの『よーいドン』。稍重ながらレースの上がりは32.9秒、勝ったレイエンダは32.7秒の脚を使い、これでは後ろの馬はどれほど良い脚を使っても届くわけがありません。

1・2着馬好走の要因はもちろん好スタートを切ったこと。

あとは超スローペースでとにかく脚をためたこと。


あまりにも予想外、規格外のレース展開となった今年のエプソムカップ、これはこれで騎手たちの思惑が錯綜し、葛藤している様子が見てとれる興味深い内容だったと思います。ただし、各馬が能力を出し切っての結果とは程遠い内容になってしまったのは残念でした。



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