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ラジオNIKKEI賞 重馬場で立ち回りが光った3頭を分析


先週から夏競馬が開幕。福島のメインレースはG3第68回ラジオNIKKEI賞です。
今は梅雨の真っ最中、小雨の降る中でのレースの馬場状態は不良。馬の脚質や能力だけでは難しいこの条件下のレースでそれぞれ騎手がどんな騎乗をするのか、腕の見せどころです。

優勝したのは3番人気ブレイキングドーン
開幕週の福島競馬場の芝は見た目には全く荒れておらず、内と外の芝の状態にも違いはなさそうですが、やはり実際には大変な差があります。朝からずっとレースのたびに必ず馬が通っていく馬場の内側は、パワフルな馬の脚で地面がこねくり回され水分がたっぷり含まれます。反対に外側は、レースによっては馬が通らないところも多く芝の状態は良いまま。地面が柔らかいと、馬はノメってしまいがちで、そうなると実力を十分に発揮させるのは無理です。騎手たちがどこを選択し、通ってくるのかがレースのポイントとなります。

ブレイキングドーンの鞍上・田辺騎手はスタートしてからゴールするまでの間、ただの一度も内へ入れようとはせず馬場の4分どころ、馬群の外々を回ることに徹していました。7枠14番という外枠だったのも大きかったと思いますが、この乗り方のおかげで体力の消耗も最小限で済んで、最後の伸び脚が出せたのでしょう。

この馬自身、稍重で行われた新馬戦の勝利、重馬場の弥生賞3着などを見るに、さほど重馬場を苦にしないタイプと思われ、加えてこれまでG1を2度含む重賞に何度も出走し、強い相手と戦ってきた経験も今回は存分に生かされたようです。頭数の多少によるレース展開の違いやペースの緩急、内と外の有利不利な点など、若い馬は強敵の揃ったレースでタフな走りを経験することにより、いろいろと学んで成長し力をつけます。

そうして力をつけたブレイキングドーンの持ち味・特性を田辺騎手はテン乗りながら全て把握し、うまく導き、好判断でレースを組み立てました。彼の好騎乗も勝因であることは間違いありません。


2着に9番人気マイネルサーパス
1枠2番に入ったこの馬の場合、馬場の良い外側を走りたくても、そのためには一度位置を後ろへ下げてからになるというリスクを負うことになるので柴田大騎手はインを選択したのでしょう。好スタートから内ラチ沿いに進み、ハナを取った隣の3番枠ダディーズマインドの後ろにつけてのレース運び。勝ち馬同様に馬場が多少緩くても大丈夫らしく、しっかりとした脚を使い直線で内からぐんぐん伸びての2着と、人も馬も上手に立ち回りました。

それにしても、この2頭の決着で馬連が60倍オーバーというのは、実績や情報面から考えると、非常によく付いたという印象ですね。


3着は6番人気ゴータイミング
スタート後に最後方に下げ外々を回る、最大限に体力の温存ができる乗り方は武豊騎手ならでは。度胸満点のレース運びでした。直線では外からメンバー最速の上がりで、誰の目にもわかるほどの凄い伸び脚を見せて追い込みましたが3着まで。

タラレバが禁物なのは承知で言わせてもらえば、開催が進んで内側がもっと悪くなり時計がかかる馬場であったら、この武騎手の乗り方は福島競馬場の短い直線でも一気に抜き去ることができるでしょう。

小回りの福島だからと、意識して前めにつけたり早めに仕掛ける騎手は僕が現役の頃も多かったのですが、そこをあえて抑えて脚をためるレースを僕は好んでやっていました。脚をしっかり溜めて、最後にきっちり差し切るには十分間に合います。年にそれほど多くない福島での騎乗でこういうレース運びができる武騎手の感覚はさすがだと思います。見せ場は十分、次走も狙いたい馬ですね。



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