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『熱きファイトで幾多の苦難を打ち破って』


【2008年 サマーチャンピオン】

3着した活躍馬。曽祖母アスコツトラップ(ギャロップダイナの母)に連なる一族である。
「かなりの素質を秘めていることはデビュー当初からわかっていました。引っかかることなく、すっと好位をキープできるのはセンスの良さ。体は小さいのに、驚くほど四肢の回転が速いんです。でも、心も体も弱かった。ようやく使い込める態勢が整ったのは、6歳になってからでしたね」
 と、松下武士調教師は思い出を話してくれる、安田伊佐夫厩舎の調教助手だった当時に、深い愛情を注ぎ、トレーナーになってからも心の支えになっているという。
 2歳夏の札幌(ダート1000m)で新馬勝ちしたものの、続く同条件の500万下をクビ差の2着すると、ソエを痛がり、1年近くのブランク。復帰戦(札幌のダート1000m)でいきなり2勝目を上げたが、次走は熱発により出走取り消し。追い切り後は平静を保てず、体調を崩してしまう状況が続いた。復帰3戦目も疝痛を起こし、レース直前にリタイアしている。
 4歳の前半は、リフレッシュ休養で終了。7月の京都(ダート1200m)で2着、函館(ダート1000m)を快勝し、白鳥大橋特別も3着と軌道に乗りかけたものの、ここで不運が。レース中に入った砂に傷付けられ、目に炎症を起こしてしまう。失明寸前の大ピンチ。戦列に復帰するまでには、10か月半もの時間が必要だった。
 5歳時も4戦を消化したのみ。七重浜特別、室町Sと勝利してオープン馬となったが、相変わらず繊細さが目立ち、レースの反動も大きかった。ここであせらず、4度目となる長期休養へ。これが本格化につながった。復帰2戦目の欅S(2着)はレコード決着でアタマ差。無理なく先行できるようになり、末脚も長続きするようになった。
 初の重賞挑戦となったプロキオンS。単勝22・6倍の7番人気にすぎなかったが、3番手で流れに乗り、追い込み勢を完封。堂々と勝ち切ってしまった。
「コンパクトな体型は変わりませんが、減りがちだった体重が安定。だいぶしっかりした実感がありましたね。以前のゴツゴツした感じも薄れましたし、中身の濃い調教が積めるように。一気に燃えるとはいえ、苦手としていた輸送にも影響されなくなりました」
 苦難を経たぶんも、素質を信じて懸命に取り組んできた陣営の喜びは大きかった。佐賀の交流重賞、サマーチャンピオンもレコードタイムで圧勝。2着を4馬身も突き放した。
「小回りコース向き。決してパワータイプではないので、ひと雨降れば、さらに自信が持てました。7歳になっても、北海道スプリントC、サマーチャンピオンと連勝。いろいろ悩むことが多かった馬ですが、簡単にあきらめてはいけないと教えてもらったように思います」
 ラストランとなった8歳時のサマーチャンピオン(5着)まで重賞戦線で健闘。ヴァンクル(フランス語で『打ち破る』の意)との名前にふさわしく、ファイトあふれる優駿だった。引退後はJRA競馬学校で乗馬となり、ジョッキーの卵たちへも勇気を与えている。
 


第8回サマーチャンピオン(JpnⅢ)
1着ヴァンクルタテヤマ 牡6 57 倉富隆一郎 安田伊佐夫
2着ダンツキッスイ   牡3 54 藤田伸二  中村均
3着キングスゾーン   牡6 56 安部幸夫  今津博之

 単勝 180円
 枠連 2400円
 馬連 3300円
 馬単 530円

3連複   950円
3連単  2,920円




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