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【地方競馬】レジェンド・的場文男騎手の通算最多勝を追った今年の夏

 62歳12日で東京記念をジュテルングランツで制覇した的場文

 「地方競馬記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 異常なほどの猛暑となった今年の夏、スポーツ紙の南関東地方競馬担当記者は、“大井の帝王”的場文男騎手の一挙手一投足を追う日々が続いた。

 昨年5月に重賞の「川崎マイラーズ」を勝って史上2人目の地方競馬通算7000勝をマークした的場文が、1年余を経過して、今度は佐々木竹見元騎手が記録していた地方競馬通算最多勝7151勝に並び、更新する日が刻々と近づいてきたのだ。

 61歳の春を迎えた的場文は絶好調だった。5月21日からの地元・大井開催では5日間で10勝の固め打ち。さらに同28日からの浦和開催でも4勝を上積みし、6月6日には大井6Rを勝って7142勝目。新記録樹立まであと10勝のカウントダウンが始まった。

 しかし大記録へのプレッシャーなのか、それから勢いがパタッと止まってしまった。次に勝ったのが6月11日の川崎6R。その間の18連敗中、2着が実に9回!

 その後も2着6回、3着3回を含む勝てない競馬が続き、6月15日の川崎2Rで落馬して負傷。7143勝目から17連敗目に、左ふくらはぎを20針縫うアクシデントに見舞われてしまった。

 復帰は7月9日。本人の後日談だが「診断書に全治までの日にちをあまり長く書かないでって、医者に頼んだんだ」とのことだが、関係者もビックリの回復力だった。

 その2日後の11日に約1カ月ぶりの勝ち星。さらに17日の浦和ではゴール直後に落馬しながらのアクロバット勝利をマークするなど話題を欠かない日々だったが、それでも思ったように勝ち数は伸びず、次第に弱気なコメントも口をつくように…。

 いわく「7100回以上も勝ってるのに、ひとつ勝つのがこれほど難しいとはねえ」「速い馬なら勝てるよ。でも昔は遅い馬でも勝たせたんだけどね」「このままじゃ、マトメーター(大井競馬場に設置の勝利数ボード)がサビついちゃうな」

 新記録まであと4勝で臨んだ7月末からの大井開催も2勝に終わり、8月5日には出身の福岡県大川市に近い佐賀競馬場で行われた九州出身の名手が集まる「里帰りジョッキーズカップ」へ。お陰?で記者も、日本で唯一パドックが右回りの佐賀競馬場を初体験することができた。

 その佐賀では勝てず、結局、翌6日の浦和10Rでタイ記録達成。そしてついに8月12日5R、「45年間お世話になり、自分を育ててくれた」という地元の大井競馬場で念願の7152勝目を飾ったのだ。

 その後はプレッシャーから解き放たれたのか、それまでの足踏み状態がウソのように着実に勝ち星を伸ばし、9月21日の大井開催が終了した時点で今年86勝、通算7171勝。

 「何も目的がなくなっちゃったからねえ」と笑いながらも、19日には今年からS1に昇格した長距離重賞「第55回東京記念」をシュテルングランツで逃げ切って38年連続重賞勝利、自らが更新中の最年長重賞勝利記録を62歳12日とした。

 「普通のおじさんにはいつでもなれるし、年間100勝くらいできてるうちは頑張りますよ」。ますます意気盛んなレジェンドジョッキーから、まだまだ目が離せない。


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